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近視矯正のひとつ、オルソケラトロジーの実際

オルソケラトロジーとは、特殊な高酸素透過性ハードコンタクトレンズを夜間就寝時に装用し、角膜の形状を変化させ、日中めがねやコンタクトレンズなしで過ごすことができる屈折矯正の一つです。日中、めがねやコンタクトレンズ、レーシック等の手術をせずに視力矯正ができ、日常生活やスポーツが楽しめることが最大のメリットです!!

デメリットは、高度近視や角膜の状態によっては処方できない場合があること、矯正が可逆性であるため矯正効果が一時的で、治療の継続が必要であること、睡眠時間を確保すること、光や物の輪郭が虹っぽく見える可能性があること、夜間のライトが眩しく見えること、またこれはコンタクトレンズを使用している方に共通して、アレルギー等の眼疾患が出た場合は中止して治療が必要であることなどがあります。また、自費治療になりますので、ある程度の費用がかかります。しかし、場合によってはコンタクトレンズを使い続けた場合よりも安価になるケースもあります。小学高学年ともなれば、ご家族の協力のもと、安全に使用できると思います。

 

当院で実際、今回はじめてオルソケラトロジーの処方を行いました。近眼が強めでしたが、マイエメラルドというオルソケラトロジーレンズの制作範囲内で処方することができました。患者様は10歳の女の子で、お母様がオルソケラトロジー治療をしているお知り合いの方からの話を聞いて、当院を訪れました。当院ではオルソケラトロジーの準備はしていたものの、実際の患者様かつ子供への使用ははじめてだったため、オルソケラトロジーの処方へ重い腰をあげた次第でした。

初回は、オルソケラトロジーを取り扱っている業者の立ち会いのもと、オルソケラトロジーのレンズ選択やケア、取り扱いについて患者様とともに進めて行きました。説明や検査、トライアルレンズの選択等で約2時間を要しました。検査を進めていく中で、患者さんの矯正を行うには当院のトライアルレンズでは細かい調整ができなかったため、急遽細かい度数を追加購入して取り寄せました。その間、弱目のトライアルレンズを約2週間試していただき、矯正効果や装用可能かどうかを試してもらいました。途中で、パワーを落としたトライアルレンズでは見えづらいとのことで、取り寄せた度数に交換して引き続きトライアルしてもらいました。朝、外すときに取りづらさがあるとのことで目薬を処方し、点眼してから外すようにしてもらいました。その後、交換したレンズで調子が良く、視力も両眼とも裸眼で1.2、見え方も問題ないとのことでこのままのレンズで処方となりました。オルソケラトロジーのレンズは、発注して約2、3日後に到着するため、その後もトライアルレンズを貸し出しをしてレンズ購入時に持ってきてもらい、ご自身のレンズと交換としました。その後の経過は、オルソケラトロジーでの矯正で両眼とも裸眼1.2を維持できており、本人も家族も満足度が高く継続して使用していただいています。

今回は、お母様の充分な協力があったこと、かつ本人の頑張りもあり処方まで漕ぎ着けることが出来ました。実際、処方をしてみてパワー調整は数日トライアルをしてもらいながら調整をしなければならないこと、レンズの取り扱いについては慣れが必要であり痛みや装用感に対してどのように対応していくべきかという課題はありましたが、継続使用していく中でめがねからの開放感なのか別人のように明るくなった表情を見て、治療が双方にとって満足できる症例となりました。

オルソケラトロジーの初回診察は、2時間程度とお時間がかかるため、完全予約制です。興味のある方やご相談されたい方は、どうぞお電話にてお問い合わせください。