よく聞かれる白内障手術についてシリーズ
白内障手術を受けるメリット・デメリットって?
白内障で濁った水晶体により、視力低下やかすみ、まぶしさなどの症状があり、その濁った水晶体を取り除き、代わりに人工水晶体となる眼内レンズを挿入する白内障手術の選択をする際に手術のメリットをまとめてみました。
【メリット】
1)視力改善などの症状改善
白内障の影響により、光が網膜まで届かず低下した視力が改善されます。また、視力の改善、かすみやまぶしさ、二重に見えるといった症状が改善され、生活の質(QOL)も向上することが多いです。
2)近視・遠視の屈折矯正ができ、乱視の度合いを軽減できることがあります。また眼内レンズの種類によっては眼鏡がいらない場合もあります。強い近視や遠視、乱視で困っていた方は、手術後快適な生活を送ることができます。
3)眼底検査がやりやすく、疾患の早期発見・早期治療につながる
白内障の影響により、眼底の観察が難しくなることがあります。手術を受けることで水晶体の濁りが解消され眼底までしっかりと観察しやすくなり、疾患の早期発見・早期治療へとつながります。
4)緑内障発作予防
白内障が進んでいくと、水晶体が膨らむことで房水とよばれる水の出入り口(隅角)が狭くなることがあります。隅角が狭くなることで眼圧が上がり、緑内障発作を起こすことがありますので、白内障手術を早めにすること緑内障発作予防となる場合があります。
5)コンラスト視力の改善
視力は1.0と良好でも白内障の影響で暗いところで見えづらいまたは薄い色がわかりづらいといったコントラスト視力の低下といった症状がある方は、手術後の症状が改善されることがあります。ただし、多焦点眼内レンズの種類によってはコントラスト視力の改善が難しい場合もあります。
それでは、次にデメリットについても述べていきましょう。
【デメリット】
1)眼鏡が必要になることが多い
保険適応内の単焦点眼内レンズを使用した場合、必ず眼鏡が必要となります。また、多焦点眼内レンズを使用した場合でも細かい文字など見たいときや暗いところでの作業がある方など眼鏡が必要になることがあります。
2)眼内炎のリスクがある
白内障手術の最大のリスクは、眼内炎という感染症です。発症する頻度はとても稀ですが、発症すると視力の回復が難しいと言われています。感染症対策の徹底と手術後の安静、目薬の治療がとても大事となってきます。
症状や進行度など個人差がありますので一概に言えませんが、治療には必ずメリット・デメリットがあり、それぞれ理解した上で手術を考えていきましょう。